セミナー概要
セミナーのテーマ
- 化学プロセスのスケールアップの基礎
- 各工程(単位操作)でのトラブルと対策
- スケールアップ製造におけるリスク管理と操作簡略化
こんな方におすすめです
- 化学プロセスのスケールアップに携わる初級担当者
- 医薬品・化学品製造に関わる技術者
- ラボ実験の結果をスケールアップ製造につなげたい技術者
セミナータイトル | 〔初級担当者にむけた〕化学プロセスにおけるラボからのスケールアップ(反応・攪拌・晶析・濾過・乾燥・粉砕・工程別)の基礎と事例集 |
開催日時 | 【オンライン配信】 【アーカイブ配信】 【オンライン配信】 |
開催場所 | オンライン 【オンライン配信】 |
受講料 | 49,500円 各種割引特典あり。詳しくは主催会社のサイトをご参照ください。 |
主催 | サイエンス&テクノロジー |
備考 | 配布資料はPDFデータ(印刷可・編集不可) ※開催2日前を目安に、主催会社様HPのマイページよりダウンロード可となります。 ※アーカイブ配信受講の場合は、配信開始日からダウンロード可となります。 |
〔初級担当者にむけた〕化学プロセスにおけるラボからのスケールアップ(反応・攪拌・晶析・濾過・乾燥・粉砕・工程別)の基礎と事例集
各工程(単位操作)のトラブル・改善事例、リスク管理
操作簡略化の考え方
・反応,攪拌、洗浄・分液,抽出,濃縮,晶析、ろ過、乾燥など各工程での失敗事例を参考に化学プロセスのスケールアップの基礎とトラブルの対処法、防止法をわかりやすく解説
・さらに、化学品を製品化する際に最も注意が必要な精製工程について、実際の工場生産で製造時間、製造工程を短縮できた(7日→3日)応用事例についても解説
講師
(株)三和ケミファ 医薬品事業部 統括本部長 薬学博士 丸橋 和夫 氏
【講師紹介】https://www.science-t.com/lecturer/23015.html
セミナー趣旨、ポイント
医薬原薬・中間体など化学品の生産プロセスはバッチプロセスが中心で、反応,攪拌、洗浄・分液,抽出,濃縮,晶析、ろ過、乾燥などの単位操作(工程)の組み合わせからなる。各単位操作(工程)にはそれぞれ特有の注意点があり、目的だけでなく、どのようなリスクがあるかも理解してラボ実験を行い、その結果を基にスケールアップ製造を行う必要がある。
本セミナーでは、各工程の注意点、ポイントを説明した後、実際の医薬品原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造で経験した反応,攪拌、洗浄・分液,抽出,濃縮,晶析、ろ過、乾燥など各工程での失敗事例を参考に化学プロセスのスケールアップの基礎とトラブルの対処法、防止法をわかりやすく説明する。更に化学品を製品化する際に最も注意が必要な精製工程について、まとめとして実際の工場生産で製造時間、製造工程を短縮できた(7日→3日)応用事例についても説明する。
得られる知識
・スケールアップの考え方とトラブルの原因と対策
・単位操作(反応,攪拌、洗浄・分液,抽出,濃縮,晶析、ろ過、乾燥)のポイント、注意点、リスク管理
・小スケール実験とスケールアップの違い
・操作簡略化の考え方
プログラム
1.バッチプロセスと単位操作
・反応,攪拌、洗浄・分液,抽出,濃縮,晶析、ろ過、乾燥について
・単位操作の要否の考え方
2.小スケール(ラボ実験)とスケールアップ製造の違い、考え方、ラボ、パイロット実験の進め方、考え方
3.スケールアップ製造の考え方(事例を参考に)
3.1 アミド化のプロセス:ラボ実験の結果を基にスケールアップしてみると
・ラボ実験と実際の製造(パイロット)の結果
・そこから考えられる問題点、課題
・対応策、操作簡略化の考え方
3.2 予め危険性が予測されるプロセスのスケールアップ(パラメータ設定の考え方)
・過酸化水素水を使用する酸化反応のプロセスのスケールアップ事例
4.各工程(単位操作)のトラブル・改善事例、リスク管理(具体的な事例を参考に)
4.1 反応
・反応条件の確認:特殊な条件(例えば低温、高温、高圧、無水など)が無いか?
・転移反応が原因でスケールアップできない。対応策とスケールアップ製造。
・反応生成物の安定性が悪くスケールアップ製造できない(例えば硫酸エステル)
・溶媒回収しないと採算が合わない。→溶媒回収できる反応条件に変更。
・その他
4.2 攪拌
・不均一反応(炭酸カリウムを使用するアルキル化反応)をスケールアップ。ラボ実験と対応策。
・その他
4.3 抽出、洗浄、分液
・分液工程でエマルジョンが発生し工場生産が中断された。原因究明と対応策を講じることでエマルジョン発生が0となった。
・その他
4.4 濃縮
・中間体の熱安定性が悪く、濃縮操作を行うことができないプロセスのスケールアップ。
・濃縮終点の考え方、濃縮残渣の安全性評価
・その他
4.5 晶析
・結晶多形の管理:1型(安定形)+2型(準安定形)の混晶となり、作り分けることができないまま米国FDAへIND申請した。
その後の対応策。
・強熱残分の管理が必要なプロセスをスケールアップしたら規格外の結果となった。実験法とその対応策。
・スケールアップに伴う粒子形の管理(攪拌羽根を変更したが)
・その他
4.6 ろ過
・スケールアップしたらクリーム状の結晶が析出し、遠心分離に2日間要した。対応法と改善策。
・どうしても結晶化せず、結晶性(濾過性)良好なアセトニトリル和物に変換。
・その他
4.7 乾燥
・商用生産を開始したら水和物が副生し、乾燥時間が2倍(10時間→20時間)になった。
・溶媒和物の乾燥法(例えばアセトニル和物:150℃に加熱してもアセトニトリルが除けない)と対応策。
・水和物の乾燥法
・乾燥中に結晶形が変化(準安定形→安定形)。原因究明と対応策。
・乾燥中に精製溶媒とは別の新たな残留溶媒が副生。原因究明と対応策。
・その他
4.8 精製(再結晶)工程
・医薬品中間体を再結晶したら異性体が副生。確認実験と対応策。
・難溶性(再結晶できない)化合物の精製法
・原薬の再結晶中に空気中の酸素と反応して微量の過酸化物が副生。原因究明と対応策。
・その他
5.まとめ(改善事例を参考に)
・アミド化、加水分解、晶析、濾取、精製(再結晶)、乾燥工程の簡略化:工場生産で7日かかるプロセスを3日に短縮
□質疑応答□