セミナー概要
セミナーのテーマ
- においの本質と定量化の課題
- 各種評価手法(官能評価、成分分析、においセンサ、e-nose)の詳細解説
- 異臭、複合臭分析、マスキングなど、実務に役立つ応用例の紹介
こんな方におすすめです
- においの定量化に課題を感じている方
- においに関する基礎知識を学びたい方
- においの評価手法を改善したい、または担当者に学習をさせたいと考えている方
セミナータイトル | においの本質を捉えた、においの見える化・定量化 |
開催日時 | 【ライブ配信】 2025年9月30日(火)10:30~16:30 【アーカイブ配信】 |
開催場所/配信の補足・注意事項 | 【ライブ配信】 |
受講料 | 55,000円 定価:本体50,000円+税5,000円 主催会社の会員ページ上に視聴や資料の案内がございますので、S&T会員登録が必須となります。未登録の場合、主催会社より新規登録手続きをさせていただきます。
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主催 | サイエンス&テクノロジー |
備考 | ■配布資料 製本テキスト(開催日の4、5日前に発送予定) ・ライブ配信受講者:お申込み時のご住所へ開催日の4~5日前に発送いたします。 ※セミナー資料は開催日の4~5日前にお申し込み時のご住所へ発送致します。 ※間近でのお申込みの場合、セミナー資料の到着が開催日に間に合わないことがございます。 ※Zoom上ではスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。 ・アーカイブ配信受講者:開催日目安に発送。 |
においの本質を捉えた、においの見える化・定量化
官能評価・成分分析・GCMS・においセンサによる
異臭、悪臭、香気、複合臭の定量と評価手法
官能評価・GC/MS・においセンサ・e-noseなど各手法の特性や限界、工夫・改善点、複合臭やマスキング、成分分析、捕集・成分分析の前処理方法、異臭分析、快不快評価など、
実務に役立つ応用例までを豊富に紹介し、“においの見える化”に挑む方に、理論と実践の両面から丁寧に解説します。
講師
(株)におい科学研究所 代表取締役 喜多 純一 氏
※元(株)島津製作所
【略歴】
1981年 京都大学工学部化学工学科卒業後
(株)島津製作所入社(~2022年9月)
2001年 第4回日食優秀食品機械資材賞 (におい識別装置FF-1)
2007年 (社)においかおり環境協会 2006年度 技術賞 (におい識別装置FF-2A)
2011年 電気学会進歩賞
2014年 (社) においかおり環境協会 2014年度 技術賞
(希釈混合装置FDL-1を用いた簡易官能評価装置)
2014年 (社) においかおり環境協会 2014年度 学術賞
(長年におけるにおい識別装置の開発研究)
2008年~2018年 においかおり環境学会学会委員
2019年~ においかおり環境学会編集委員
2019年 電子鼻の国際学会(ISOEN2019)の大会委員
2022年9月 日本分析化学会 2022年度 技術功績賞
(におい識別装置の開発および実用化への導入の研究開発)
【専門】
におい全般 化学工学、電気工学、情報工学
【Webページ】
https://nioikagakuk.jp/
セミナー趣旨、ポイント
においを定量的に評価したいという考えは、過去より多く試みられたが満足な結果が得られないのが多いのが現状ではないだろうか。官能評価がゴールドスタンダードになることは理解しているものの、その客観性に心配があり、GCMSやにおい嗅ぎGC等の成分分析、大気イオンMS等のリアルタイムにおい分析、センサ方式等といろいろ試されうが、求めている結果が得られていなかったり、もう少しなんとかなるのではと考えておられる方が多いと思われる。
そのように問題が残るのがなぜそうなのかについて、においの本質を説明するとともに、今までの評価方法を歴史を振り返り説明する。その後具体的な方法として、官能評価、成分分析、センサ方式、e-noseがどのような仕組みで、どんな工夫されており、どんな結果が得られるかを説明する。しかし、いろいろな方法を駆使し工夫しても、求めているものに対して納得のいく結果が得られない場合が多々あり、そうなってしまう理由を先に説明したにおいの本質をもとに、解説を行う。また、それぞれの原因をもとに、それを解消する幾つかの対応法を説明し、日ごろの疑問の解消につなげていただければと考える。
以上、においの見える化について疑問を持っておられる方、これからにおいをもう少し定量的に見ていこうと考えておられる方、もしくは、担当者に学習をと考えておられる方、すでににおいについては取り組んでおられるが、もう少し改善できないかと考えておられる方に、ヒントを提示することを目的としています。
こんな方におすすめ
講義時間に余裕があるので、においに対して予備知識がない方でも、最先端のところまで理解することができる。
得られる知識
・においの定量化を阻害するにおいの本質8種を理解できる。
・においの本質を理解した上で、定量化をうまく行う手法を理解できる。
・いくつかのにおい定量化方法の工夫について理解できる。
プログラム
1.においについて知っておきたいこと
1.1 においとは何か?におい成分なの?何種類ある?
1.2 においの3つの側面とは?
1.3 においの本質で知っておくべきこと、検知閾値と、ウエーバーへフナーの法則
1.4 においの原臭は存在するのか?
2.ヒトがにおいを感じる仕組みは?
2.1 嗅覚におけるにおいセンサである嗅覚レセプターとは?
2.2 どのような経路でにおいは認知されるのか?
3.嗅覚検知メカニズムが原因と思われるにおいの不思議
3.1 いくつかのにおいが混ざったときのにおいは予想できる?
3.2 においがする成分でも、全体のにおいの寄与していない場合があるの?
3.3 マスキング、ペアリング効果とは?
3.4 嗅覚的ホワイトってなんでしょう?
3.5 オミッション法とはどんな手法?
3.6 においの不思議は科学的に説明できるの?⇒におい質の近さ度合いの研究
3.7 異臭、悪臭、香気、複合臭って何のこと
3.8 レトロネーザルアロマってなに?
3.9 においの本質8種とは?
4.においの単位とは?
4.1 臭気強度、臭気濃度、臭気指数とはどんな定義?
4.2 検知閾値、認知閾値、弁別閾値とは?
4.3 におい質に単位はあるの?
4.4 フレーバーホイールとは?
4.5 官能評価で用いられるにおいの質とは?
4.6 におい物質の種類はどれくらいあるの?それからにおい質の数は計算できる?
4.7 自動車、車室内、部品のにおいのにおい質表現(ISO)
5.見える化①官能評価方法
5.1 日本における、公定法におけるにおいの強さの決め方の変遷
5.2 悪臭22物質を基にしたにおい強度測定
5.3 三点比較式臭袋法とは
5.4 海外におけるにおいの強さの決め方例
オルファクトメトリー法(CEN規格)
建材、室内臭のにおいの強さの決め方(ISO) 2017年の自動車部品、車室内のにおい(ISO)の基礎
5.5 官能評価の種類 分析型官能評価と嗜好型官能評価
5.6 官能評価で合否判定をする場合(分析型官能評価で主観をできるだけ排除する工夫)
5.7 官能評価でスコアー(得点)をつける方法
5.8 得点をつける方法の一つとしてのQDA法(ISO)
5.9パネルの選定方法とパネル選定の重要性
5.10 パネル選定の前提となる嗅覚感度測定方法(国内、国外)
5.11 自動車室内、部品のにおいの強さ測定方法(官能評価ISO)
5.12 5.11におけるパネルの選定方法
5.13 においかおり環境協会の簡易臭気強度の決め方
5.14 官能評価結果の表現方法
5.15 においの嗅ぎ方による結果のばらつきの低減方法
6.成分分析方法
6.1 成分分析装置、GC,GCMSの原理
6.2 におい嗅ぎGCとはどんなものか?
6.3 GCMSの分析結果の導き方
6.4 GCMSの結果とにおい嗅ぎGCの結果を比較してみると。
6.5 におい嗅ぎGCにおける各ピークのにおいの強さの決め方3種
(アロマクロマトグラフィーにおける、ピーク高さの決め方)
6.6 におい嗅ぎGCでの注意点
6.7 GCMSでの結果とにおいの関係性(TVOCの結果)⇒青葉アルコールの例
6.8 におい嗅ぎGCMSの結果を使って、においは再現できるか?(ビールの例)
6.9 クロマトの一つのピークに複数成分が含まれてしまったときの対処方法
6.10 2DGCMSを利用したフロアマットの測定例
7.成分分析の前処理方法
7.1 ヘッドスペース測定
7.2 捕集管を使った加熱脱着TD法 捕集管へのサンプリング方法 捕集管の種類
7.3 ダイレクト加熱法
7.4 モノトラップを用いた方法
7.5 SPMEを用いた方法
8.におい全体の前処理
8.1 蒸留法(水蒸気蒸留、クーゲルローエル蒸留、SAFE法)
8.2 溶媒抽出方法
9.においセンサ法
9.1 においセンサ法の原理
9.2 においセンサ法の注意点
10.e-nose(においセンサ)
10.1 e-noseの原理といくつかの研究事例 何故、実用されているケースが少ないのか?
10.2 AIはe-noseを強化できるのか?
10.3 e-noseの問題を解消する方法は?
10.4 におい識別装置は複合臭分析に有効
10.5 におい識別装置の解析方法
10.6 臭気指数相当値が装置だけで求められる利点(注意点)
10.8 におい識別装置でにおいの近さ度合いが定量化できる利点(注意点)
10.9 複合臭の中の特定の複合臭に絞った分析が出来る利点(注意点)
11.異臭の分析
11.1 異臭の実際
11.2 GCMSとデータベースによる異臭分析例
12.快不快評価
12.1 官能評価による快・不快のばらつき(人種の違い)
12.2 におい識別装置を用いた不快度分析例
13.マスキング測定
13.1 におい識別装置を用いた例
14.複合臭分析の新しい手法
□ 質疑応答 □