セミナー概要
セミナーのテーマ
- MLCCの基礎と材料設計(BaTiO3)
- MLCCの製造プロセスと信頼性評価
- MLCCの技術動向(AI、5G、車載など)
こんな方におすすめです
- MLCCの材料、設備メーカーの研究開発、製造、販売担当者
- MLCCを使用する製品の設計技術者
- 品質管理や故障解析に携わる技術者
セミナータイトル | 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の主にセラミックス材料設計から見た技術動向 |
開催日時 | 【ライブ配信】 2025年9月8日(月)10:30~16:30 |
開催場所/配信の補足・注意事項 | 【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】 |
受講料 | 55,000円(税込、資料付) ■会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から |
主催 | R&D支援センター |
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の主にセラミックス材料設計から見た技術動向
★セラミックスの基礎から材料組成設計の指針までを分かりやすく解説!
※本セミナーはZoomを使ったLIVE配信セミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。
講師
和田技術士事務所 代表 和田 信之 氏
《略歴》
1976年3月 九州大学 理学部 地質学科 卒業
1978年3月 九州大学大学院 理学研究科修士課程 修了
1978年4月 播磨耐火煉瓦(株)【現 黒崎播磨】入社
1986年10月 播磨耐火煉瓦(株)【現 黒崎播磨】退社
1986年11月 (株)村田製作所 入社
2014年3月 (株)村田製作所 退職
2016年4月 和田技術士事務所 設立
《活動等》
日本セラミックス協会 電子材料部会 役員(2005年~2012年)
日本技術士会 近畿本部化学部会 幹事(2018年~)
セミナー趣旨、ポイント
MLCCはスマートフォーンに代表される小型電子機器から、自動車のEV化、今後の自動運転化に向けて、また、5G、IoTの進展に伴い生活のあらゆる分野で、さらに最近ではAI分野での需要の大幅な増大が見込まれる電子部品です。MLCCの多くはBaTiO3をベースにした誘電体セラミックスが誘電体素子に用いられています。MLCCの小型化はこの誘電体素子の薄層化によるところが大きく、MLCCの信頼性はこのBaTiO3誘電体セラミックスの材料的特性に負うところが大きいと言えます。
本セミナーでは、MLCCやMLCCに必要な素材(セラミックス材料、電極材料、バインダーなど有機材料)に係わる技術者、および生産の第一線で頑張っておられる開発および製造に係わる技術者、品質管理や故障解析に係わる技術者の方に聴講していただければと思っています。MLCCの信頼性に影響するBaTiO3誘電体セラミックスの設計指針として、セラミックスの基礎からBaTiO3の格子欠陥からドナーやアクセプター元素添加に係わる材料組成設計の指針までを分かりやすく説明します。MLCCに係わる皆様の日々の研究開発、製造現場での指針、方向性を提供できればと思っています。
こんな方におすすめ
MLCCの生産に必要な材料、設備メーカーや素材メーカーにおける研究開発、製造、販売に携わる方、およびMLCCを使用する製品の設計技術者(初心者から中級者まで)
今回のセミナーでは1日セミナーで設計しています。MLCC専門外の方もご理解いただけるように、基礎的な事項も平易に説明し、皆さんのご理解を深められるように構成しています。また、MLCCに限らず積層セラミック電子部品の多くの関係者にも有益なセミナーと考えます。
得られる知識
・セラミックスの基礎知識
・コンデンサの機能
・BaTiO3セラミックス誘電体特性、BaTiO3セラミックスの格子欠陥の制御技術、非還元材料の設計指針
・薄層用微粒BaTiO3粉末の設計指針
・内部電極Ni金属粉、共素地、焼結挙動
・MLCCの信頼性、評価技術
・MLCC全般にわたるプロセス技術、焼成技術のポイント
・MLCCの開発動向
プログラム
1.積層セラミックコンデンサ(MLCC)の基礎
1-1 セラミックスの基礎
焼結現象 粒成長、 平衡状態図
1-2 コンデンサの種類
1-3 インピーダンス素子としてのコンデンサ
周波数特性、インピーダンス、ESR ESL、デカップリング、平滑
1-4 MLCCの概要
高誘電率系、温度補償系、温度係数、シフター、デプレッサー
1-5 Ni内部電極MLCC
平衡酸素分圧、還元雰囲気
2.BaTiO3(BT)誘電体セラミックスの基礎
2-1 BTの強誘電性
結晶構造、相転移、分極、ドメイン、ヒステリシス
2-2 BTのサイズ効果
強誘電性 c/a軸比
2-3 微粒BT粉末の合成
固相法、シュウ酸法、水熱合成法、c/a軸比
2-4 BT誘電体原料の組成
サイト、配位、アクセプター元素、ドナー元素
2-5 BT誘電体セラミックスの構造
コアシェル構造、非コアシェル構造、不均一歪、粒成長抑制
3.Ni内部電極MLCC対応のBT材料
3-1 酸化物の還元現象の熱力学
熱力学、化学平衡、ギブス生成自由エネルギー、酸素分圧、
3-2 BTの酸素空孔生成
格子欠陥式、欠陥濃度、
3-3 BTの格子欠陥制御
Aサイト、Bサイト、化学量論比、欠陥式
3-4 異種元素置換による格子欠陥生成とその効果
酸素空孔、陽イオン空孔、欠陥の会合、シミュレーション
3-5 粒界の役割
粒界の構造、酸素の拡散、元素の偏析
4.BTセラミックスの長期信頼性
4-1 酸化物の電気伝導
バンド伝導、ホッピング伝導、オーム則、バンドギャップ
4-2 高電界での電気伝導
チャイルド則、放出電流、摩耗故障、欠陥準位、トラップ
3-3 酸素空孔移動現象とその制御
活性化エネルギー、分析手法、シミュレーション
3-4 MLCCの摩耗故障と加速性
加速評価、温度加速、電圧加速、アレニウス、アイリングモデル、電界集中
5.MLCCの製造プロセス
5-1 製造工程の概要
5-2 シート成形工程、主にスラリー組成の設計およびスラリー製造技術
シートの剥離・積層、バインダー、分散剤、可塑剤、乾燥収縮、PVC
5-3 Ni内部電極工程、主にその焼結性
ペースト組成、収縮挙動、共素地、カバレッジ、Ni電極組成
5-4 MLCC焼成工程、主に焼成雰囲気制御とBT酸素空孔制御
バインダーの熱分解、雰囲気制御、残留炭素、酸素空孔生成、再酸化、短時間焼成
5-5 MLCCの外部電極
Ag、Cu、Ag/Pd、Ni/Pd、樹脂電極、マイグレーション
5-6 故障解析
MLCC内部の構造欠陥、非破壊故障解析、破壊故障解析、電解剥離法
6.MLCCの技術動向
6-1 AI分野に向けた小型、大容量化
6-2 IoT、5Gへの対応、低ESR化、低ESL化
5G化の動向 LW逆転、3端子、多端子
6-3 車載に向けた高圧、高温化
市場動向、車載規格(AEC-Q200)、信頼性データ、中高圧設計、高温対策
6-4 BT以外の誘電体材料の動向
CaZrO3、タングステンブロンズ、その他特許例
【質疑応答】