高分子材料における結晶化プロセスの基礎、構造形成とその制御および構造解析技術

  • 開催日2025年5月26日(月)
  • 形態オンライン【アーカイブ配信あり】

セミナー概要

セミナーのテーマ

  • 高分子材料の結晶化プロセスと構造形成メカニズムの基礎理解
  • 光学顕微鏡や放射光などを用いた高分子結晶の階層構造解析手法の習得
  • 物性向上・高機能化のための結晶構造制御と解析データの活用方法

こんな方におすすめです

  • 新たに高分子材料・結晶を扱うことになった技術者・研究者
  • 高分子結晶の構造解析や測定データの解釈に課題を感じている方
  • 結晶化挙動の特異性を理解し、目的に応じた解析技術を選びたい方
セミナータイトル高分子材料における結晶化プロセスの基礎、構造形成とその制御および構造解析技術
開催日時

【オンライン配信】
2025年5月26日(月)10:30~16:30
お申し込み期限:2025年5月26日(月)10:00まで

【アーカイブ配信】
視聴期間:2025年6月11日(水)~2025年6月24日(火)
お申し込み期限:2025年6月11日(水)18:00まで

開催場所

オンライン※アーカイブ配信あり

【オンライン配信】
・本セミナーは、主催会社様HPのマイページより視聴いただけます。
・本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。

【アーカイブ配信】
・本セミナーは、主催会社様HPのマイページより視聴いただけます。

受講料55,000円

各種割引特典あり。詳しくは主催会社のサイトをご参照ください。
・E-Mail案内登録価格(割引)の適用
・2名同時申込みで1名分無料の適用
・テレワーク応援キャンペーン(オンライン配信セミナー1名受講限定)の適用

主催サイエンス&テクノロジー
備考配布資料は製本資料(開催日または視聴開始日の、5日前に発送予定)
※オンライン配信受講を開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性があります。

高分子材料における結晶化プロセスの基礎、構造形成とその制御および構造解析技術

~高分子材料の結晶化過程、構造形成では何が起こっているのか~

結晶性高分子、高分子結晶の解明に迫るための各アプローチと目的に応じた解析手法の使い分け
物性との関わりが深い分子構造の規則性、温度条件、配向条件はどのように構造形成につながるのか
より優れた物性発現、更なる高機能化を実現する為に高分子結晶構造をコントロールするには
顕微鏡法、回折・散乱による解析、光学顕微鏡法、最新の放射光、、、
 目的に応じた高分子結晶の階層的な構造解析手法、測定データの解釈

高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴と理解
物性と分子構造の規則性、温度条件、配向条件との関係と影響
簡易・迅速な各種構造解析手法と目的に応じた使い分け

講師

福井大学 繊維・マテリアル研究センター 教授 博士(工学) 登阪 雅聡 氏

セミナー趣旨、ポイント

 結晶性高分子材料の物性は、結晶が織りなすナノからミクロンスケールの階層的な構造により大きく左右される。こうした結晶構造のコントロールは、より優れた物性の発現や、更なる高機能化を図る為に必須である。従って、様々なスケールで結晶の構造を解析すると共に、そうした構造が形成される機構を正しく理解する必要がある。高分子は長い紐状である事に起因して、特異な結晶化挙動を示す。
 本講座では先ず、低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説する。さらに、物性との関わりが深い項目として、分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介する。引き続き、高分子結晶の階層的な構造を解析する手法として、顕微鏡法、および、回折・散乱による解析法について解説する。目的に応じて適切に使い分る事を念頭に、簡易かつ迅速な光学顕微鏡法から最新の放射光を用いた手法まで、幅広く紹介する。

こんな方におすすめ

  • 新しく高分子結晶を取り扱うエンジニア
  • 高分子結晶の構造解析に新しく携わるエンジニア
  • 高分子結晶の関係する測定データの解釈にお困りの方
  • 高分子結晶の解析方法にお困りの方

得られる知識

  • 高分子が長い紐状である事に起因する、結晶化挙動の特異性について深く理解することができる。
  • 簡易かつ迅速な光学顕微鏡法から最新の放射光解析技術まで、幅広く紹介するので、目的に応じた手法の使い分けが出来るようになる。

プログラム

1.高分子結晶及び結晶化プロセスの基礎とその制御
 1.1 「結晶」とは何か
  1.1.1 「結晶」の定義
  1.1.2 結晶はなぜ生成するか
 1.2 高分子結晶の構造的特徴
  1.2.1 低分子結晶との対比
  1.2.2 線状高分子の凝集構造
  1.2.3 高分子結晶特有の高次構造(ラメラ晶、球晶、繊維構造)
 1.3 高分子結晶の生成プロセス
  1.3.1 結晶核の形成
  1.3.2 二次核生成→生長
  1.3.3 結晶化速度
  1.3.4 結晶化温度と融点
 1.4 物性との関わりとその制御・評価法
  1.4.1 結晶化度の評価法
  1.4.2 融点の評価法
  1.4.3 分子構造の規則性(融点への影響、結晶成長への影響)
  1.4.4 配向(結晶化と物性への影響)
  1.4.5 分子量(結晶化、機械的物性、成形性への影響)
  1.4.6 球晶サイズ(機械的物性と透明性への影響)
 1.5 高分子結晶化の特性を活用した加工技術の例
  1.5.1 ゲル紡糸
  1.5.2 ナノ配向結晶体(NOC)

2.構造解析法1-顕微鏡法
 2.1 「見える」ための必要条件
  2.1.1 分解能(波長による限界、結像による限界、試料による限界)
  2.1.2 コントラスト(明暗、色)
 2.2 光学顕微鏡
  2.2.1 照明法について(透過、落射)
  2.2.2 対物レンズ
  2.2.3 偏光顕微鏡
  2.2.4 微分干渉顕微鏡
 2.3 電子顕微鏡
  2.3.1 走査型電子顕微鏡
  2.3.2 透過型電子顕微鏡(明視野像観察、電子回折、暗視野観察、三次元像)
 2.4 原子間力顕微鏡
  2.4.1 AFMの原理
  2.4.2 測定上の留意点(試料作成、フィードバックパラメータ)

3.構造解析法2-回折・散乱による方法
 3.1 回折・散乱の基礎
  3.1.1 ブラッグ回折
  3.1.2 フーリエ変換
  3.1.3 逆空間
 3.2 結晶の回折
  3.2.1 逆格子(回折反射の指数、エヴァルト球、限界球)
  3.2.2 乱れた結晶からの回折(回折点の広がりの解釈)
  3.2.3 多結晶体の回折(粉末図形、繊維図形)
  3.2.4 微結晶サイズの評価(シェラーの式)
  3.2.5 データ処理の実例
  3.2.6 電子回折
 3.3 小角散乱
  3.3.1 積層ラメラの回折
  3.3.2 インバリアント
 3.4 放射光を用いた解析の実例
  3.4.1 高速時分割測定
  3.4.2 マッピング

質疑応答