高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計

  • 開催日2025年5月23日(金)
  • 形態オンライン【アーカイブ配信あり】

セミナー概要

セミナーのテーマ

  • 高分子レオロジーの基礎と複合化への応用
  • 高分子の粘弾性現象論と材料設計への活用
  • レオロジーによる高分子複合材料の設計・制御
セミナータイトル高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計
開催日時

【オンライン配信】
2025年5月23日(金)13:00~16:30
お申し込み期限:2025年5月23日(金)12:30まで

【アーカイブ配信】
視聴期間:2025年6月9日(月)~2025年6月20日(金)

開催場所

オンライン※アーカイブ配信あり

【オンライン配信】
・本セミナーは、主催会社様HPのマイページより視聴いただけます。
・本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。

【アーカイブ配信】
・本セミナーは、主催会社様HPのマイページより視聴いただけます。

受講料49,500円

各種割引特典あり。詳しくは主催会社のサイトをご参照ください。
・E-Mail案内登録価格(割引)の適用
・2名同時申込みで1名分無料の適用
・テレワーク応援キャンペーン(オンライン配信セミナー1名受講限定)の適用

主催サイエンス&テクノロジー
備考配布資料はPDFテキスト(印刷可・編集不可)
オンライン配信受講:開催2日前を目安に、主催会社様HPのマイページよりダウンロード可となります。
アーカイブ配信受講:配信開始日からダウンロード可となります。

高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計

~レオロジー特性の把握・制御と高分子複合化への応用~

高分子レオロジーの基礎からはじめ、これから高分子に携わろうとする方でも理解できるように解説
高分子の複合化に取り組んでいる方、これから取り組む方は是非、
レオロジーを複合化の技術として活用するためのコツ
ブレンド、アロイ、分散系・・・複合化のための高分子のレオロジー特性からのアプローチ

高分子の粘弾性的現象論と分子論的メカニズムとの関係
材料設計に反映できる複合化による粘弾性的性質の改善
レオロジーを技術としての高分子複合材料の設計・制御への活用

講師

千葉大学 名誉教授 工学博士 大坪 泰文 氏

セミナー趣旨、ポイント

 レオロジーが主に対象とするのは粘弾性という力学挙動であり、典型的な材料は高分子です。高分子は、単純化するとひものように長い分子であり、この鎖状分子の運動と粘弾性との関係解明を基盤としてレオロジーは発展してきました。
 本セミナーのテーマは高分子複合材料ですが、まずは基本となる無定形(ランダムな鎖状形態)単分散(分子量がそろっている)高分子の粘弾性につき理解いただくことからスタートします。工業材料として多くの高分子が様々な分野で使用されていますが、無定形単分散高分子に対して付加的な分子間相互作用の導入あるいは他の材料との混合などにより性能向上が図られております。これらの効果を本セミナーでは複合という言葉に含め、後半では技術的応用という観点から複合化に関わるメカニズムとレオロジー物性との関係について説明します。さらに、加工プロセスにおいて高分子の特有なレオロジー物性が果たす重要な役割についても触れます。

こんな方におすすめ

固体、液体を問わず、材料科学的に高分子に関わる技術者が対象になりますが、特にその性能向上のための手段として複合化に取り組んでいるようであればいっそうわかりやすいと思います。受講に際して特別の予備知識は必要ありません。教科書に書かれている高分子レオロジーの基礎から始めますので、これから高分子に携わろうとする初心者でも理解できる構成になっています。

得られる知識

・基礎科学として高分子の粘弾性的現象論と分子論的メカニズムとの関係が理解できるようになります
・複合化による粘弾性的性質の改善に基づき材料設計に反映するための知識を得ることができるようになります
・レオロジーを技術として活用するためのコツが把握できるようになります

プログラム

1.レオロジーの基礎
 1.1 連続体力学の基礎
  (1)ひずみ
  (2)ひずみ速度
  (3)応力
 1.2 粘度と非ニュートン流動
  (1)せん断粘度の定義
  (2)擬塑性流動
  (3)ダイラタント流動
 1.3 粘弾性モデル
  (1)粘性と弾性の熱力学的意味
  (2)マックスウェルモデルと応力緩和
  (3)フォークトモデルと遅延弾性
 1.4 動的粘弾性
  (1)振動ひずみと振動応力
  (2)貯蔵弾性率と損失弾性率
  (3)動的粘弾性関数の周波数依存性
  (4)動的粘弾性曲線からの流体と固体の判別

2.無定形単分散高分子の粘弾性
 2.1 高分子溶液の粘度挙動
  (1)高分子鎖の統計的性質
  (2)低濃度高分子溶液のニュートン流動
  (3)粘度と高分子コイルの体積効果
  (4)濃厚高分子溶液の擬塑性流動
  (5)粘度曲線の普遍性
  (6)高分子の分子量と粘度挙動との関係
 2.2 高分子固体および溶融体の粘弾性挙動
  (1)高分子のガラス状態とガラス転移
  (2)高分子のガラス状態における粘弾性挙動
  (3)高分子鎖のミクロブラウン運動
  (4)時間―温度換算則
  (5)シフトファクターの温度依存性
  (6)からみあいと緩和時間
  (7)高分子の分子量とマスターカーブとの関係
  (8)Cox-Merzの経験則

3.高分子複合材料における高次構造および不均一構造と粘弾性 
 3.1 会合性高分子溶液の粘度挙動
  (1)会合による過渡的分子間結合
  (2)会合性高分子水溶液のダイラタント流動
  (3)微粒子分散系の粘度コントロールへの応用
 3.2 結晶性高分子の粘弾性挙動
  (1)高分子鎖の結晶形態
  (2)結晶性高分子の粘弾性挙動
  (3)液晶高分子の構造と流動配向
 3.3 ゴムの粘弾性挙動
  (1)ゴムの架橋構造と粘弾性
  (2)重合硬化反応とゲル化
  (3)パーコレーションと臨界挙動
 3.4 高分子ブレンドの粘弾性挙動
  (1)非相溶性高分子ブレンドの粘弾性挙動
  (2)高分子の相分離構造と粘弾性挙動
  (3)ブロック共重合体の相分離構造と力学物性
 3.5 微粒子―高分子複合系固体材料の粘弾性挙動
  (1)粘弾性挙動に及ぼす微粒子の充填効果
  (2)高分子複合材料の破壊挙動
  (3)ナノ粒子分散高分子の粘弾性挙動
 3.6 高分子レオロジーの三次元的特性と加工プロセス
  (1)伸長流動の幾何学と伸長粘度
  (2)高分子の紡糸性と分子量分布
  (3)ジェットインクの糸引き性
  (4)高分子の紡糸性と分岐構造
  (5)弾性効果の三次元性
  (6)法線応力と精密成形
 3.7 生物由来高分子の興味深い粘弾性挙動
  (1)絹の紡糸と結晶化
  (2)ゼラチンの非線形粘弾性

質疑応答